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Q&A

パイプ・イン・パイプ工法の概要について教えてください。

パイプ・イン・パイプ工法とはその名のとおりパイプの中にパイプを布設する工法です。老朽化した既設管に対する非開削更新工法の小で最も代表的なものです。"Pipe In Pipe"の頭文字をとって,「PIP工法」などと呼ばれることもあります。

PIP工法は,更新対象となる老朽管路の前後に立坑を築造し,新管を送り込みながら既設管内で接合する更新工法です。既設管の管種は聞いませんが,管の中で作業を行う必要があるため,挿入する新管の口径は800mm以上となります。

PIP工法は2種類に大別されます。ひとつは「普通鋼管によるPIP工法」で,これは工場で製管した水輸送用鋼管をそのまま既設管内に挿入するものです。この工法では,施工できる新設管の最大口径が既設管の口径から1口径(100mm) 小さくなるという制約があります。


図-1 PIP工法の断面図


図-2 PIP工法の施工方法

もうひとつは, 「巻込み鋼管によるPIP工法」で,工場で製管工程まで行わず,図に示すように巻き込んだ鋼管を既設管内に挿入後,既設管内で拡径し,シーム部(縦方向溶接部)を溶接して製管してから接続する工法です。この工法によれば,新設管の最大口径が,既設管の口径から50mm程度小さいもので施工可能であり,現在普及している管更新工法のうち,既設管に最も近い口径の管に更新することができます。また,加工性に優れた鋼の特長を活かし,既設管の複雑な曲がりにも,比較的容易に対応できます。


図-3 巻込み鋼管の概要


写真-1 巻込み鋼管の拡径作業状況

コスト縮減のためには,立坑数を最小とし,かつ現地での溶接箇所数を低減することが重要となります。そこで事前の調資計画では,既設管の線形に応じて,普通鋼管と巻込み鋼管とを組み合わせて計画する場合も多々あります。

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