Q&A

既設管と新設管との間になぜ充填材を入れるのですか？
また, その場合施工上の注意点はありますか？

PIP工法では, 既設管と新設管にある程度の隙間を用いて配管していきます。その際新設管の拘束と管の防食を兼ねてこの隙間を充填する必要があります。

1. 充填の必要性
　PIP部の新設管の外面防食は, 既設管と新設管の隙間にセメント系充填材を裏込めすることでpHの高いアルカリ雰囲気により防食させる方法を採っています。このため, 新設管の外面は一次防錆程度でも防食上問題ありません。

2. 充填材の種類
　充填材の種類は施工延長や充填量, 地下水位の状況などの施工条件から, 流動性などの材料特性を考慮して選定します。

　既設管と新設管の隙間に充填する充填材は主として下記に示すセメント系のものを用います。

1. エアモルタル
2. エアミルク
3. セメントベントナイト
4. モルタル 　

　隙間が狭いため, 流動性の良い「エアモルタル」や「エアミルク」等の採用事例が多くなっています。

3. 充填材の注入における管理項目
鋼管と一時覆工の空隙を充填する際の施工管理方法としては, 目視による方法や充填圧による管理方法が一般的です。これは管頂部に設けられたグラウトホールからの充填材流出や, 施工計画に定められた充填圧を一定時間保持することによって確認する方法です。

充填は充填設備と鋼管の標高差を利用する場合と注入ポンプの口元及び注入口に設置された圧力計を用いて確認される場合が多く, 注入ポンプを用いる場合には注入口で規定の圧力を超えないように注入量をコントロールします。また，注入後は管内よりハンマーの打音や打設流量管理によって充填の状況を確認します。