WSP

用語集:た行

耐震設計: Seismic design
構造物の重要度に応じて、想定される地震に対する安全性や維持すべき機能を考慮して、構造物の諸元を決定する作業。
WSP: Water Steel Pipe association
日本水道鋼管協会の略称、又は日本水道鋼管協会規格の総称。水道鋼管に関する技術の開発、研究、日本水道鋼管協会規格の制定、技術説明会の開催や各種の広報活動等の業務を行っている。
ダルシー・ワイスバッハの式: Darcy-weisbach's formula
ダルシー(1803~1858)・ワイスバッハ(1806~1871)による「流れが十分に発達した円管内定常流の管摩擦損失」を与える式で、次式のように表される。管摩擦損失は、管の口径に反比例し、管長ならびに管内平均流速の二乗にそれぞれ比例することを示している。
ダルシー
ここに、
h: 摩擦損失水頭 (m)
λ: ダルシーの管摩擦係数
L: 管長 (m)
D: 管内径 (m)
V: 管内平均流速 (m/s)
弾性域: Elastic region
鋼材に引張力を作用させると、この力に比例した変形(ひずみ)が生じ、除荷すると元の形状に戻るような挙動を示す。このように応力~ひずみの間に線形な関係が成り立つような領域を「弾性域」という。これに対し、ある値以上の力を作用させた場合には、除荷しても元の形状に戻らず、永久変形が残るようになる。このような領域を「塑性域」といい、弾性域との境界点を「降伏点」と呼ぶ。鋼管の設計は、通常「弾性域」内のさらに狭い領域(許容応力度)内で行われるため、極めて安全である。
弾性係数(ヤング率): Young's modulus
弾性域では、応力(stress:σ)~ひずみ(strain:ε)の間に線形関係が成立する。この関係を図示したものを「応力-ひずみ線図」(stress-strain curve)というが、このときの傾きが「弾性係数」である。
断面係数: Section modulus
断面が縦長のはりに曲げ方向の力が作用した場合を考えると、同じ材質・断面積でありながら、力に対して横長の場合よりも縦長の方向の方が構造的により高い耐力を持つことがわかる。断面係数は、このような力に対する断面の形状による特性(断面性能)を示す係数であり、最大曲げ応力σmaxと曲げモーメントMとの間に次のような関係がある。
断面係数
なお、断面係数は、材料の断面の図心を通る軸に関する断面二次モーメントを軸から図形の周辺までの最大距離で除すことで得られる。ちなみに円管の単位幅あたりの断面係数Zは、次式で与えられる。
断面係数
ここに、t: 板厚
断面二次モーメント: Geometrical moment of inertia
ある平面図形とその面内の軸があるとして、その図面内の1点に微小面積をとり、そこから軸に垂直線を下した場合、その面積に軸からの距離の自乗を乗じた値を断面二次モーメントという。ちなみに、円管の単位幅あたりの断面二次モーメントIは、次式で与えられる。
断面二次モーメント
ここに、 t:板厚
地耐力: Ground bearing capacity
構造物の基礎を設計するにあたり、地盤の強度と変形の双方を検討する必要がある。このときの地盤の強度(荷重を支える能力)を支持力とよび、地盤の変形を沈下としたとき、その両方の能力を地耐力という。したがって、支持力に対して安全率を適用したものが許容支持力であり、沈下に対してもある許容値を定めて沈下量がこの限界を超えないよう、あわせて考慮したものが許容地耐力である。
継手: Joint
配管路の接続部を指す。溶接接合では溶接継手、フランジ接合ではフランジ継手となる。
ティグ溶接: TIG(tungsten inert gas)welding
非溶極式のイナートガスアーク溶接で、タングステン又はタングステン合金を電極とする溶接。
抵抗溶接: Resistance welding
母材の接触部を加熱しながら電流を流し、ここに発生する抵抗熱で加熱して行う溶接。これにはスポット溶接やシーム溶接などのように、重ね合わせた継手の両側から加圧して溶接する重ね抵抗溶接と、フラッシュ溶接などのように2つの母材の両端を突き合わせ加圧して溶接する、突き合わせ抵抗溶接とがある。
手溶接: Manual welding
溶接操作を手で行う溶接。
テルツァーギのゆるみ土圧公式: Terzaghi's formula
推進管のように比較的大深度(良好な地盤中)に布設される管の設計では、浅深度埋設管の場合とは異なり、土のアーチング効果が期待できるため、全土被り荷重よりも値の小さい「ゆるみ土圧」を用いることができる。テルツァーギの式は、このゆるみ土圧を算定する式で、次のように与えられ、トンネル等の大深度構造物の設計に広く使われている。
テルツァーギ
Fig. 埋設管に作用する鉛直土圧

テルツァーギ
ここに、
テルツァーギ
テルツァーギ
テルツァーギ
テルツァーギ
テルツァーギ
Pe1: 管頂に作用する鉛直土圧 ( t/m2 )
H: 土被り ( m )
H 1: 崩壊面の出発点から管頂までの高さ ( m )
H 0: 土のゆるみ高さ ( m )
γs: 土の単位体積重量 ( t/m3 )
γs': 土の水中単位体積重量 ( t/m3 )
R 0: 管外半径 ( m )
φ: 土の内部摩擦角 ( ゚ )
H'0: 地下水位を考慮した場合のゆるみ高さ ( m )
Hw : 地下水位 ( m )
テルミット溶接: Thermit welding
テルミット(アルミニウム粉と酸化鉄粉との混合物)反応の熱を利用して行う溶接で、この反応でできた溶融金属を、そのまま溶加材として鋳型に囲まれた継手に注入して用いる溶接。
電撃防止装置: Voltage reducing device
溶接作業を休止しているとき、アーク溶接機の二次無負荷電圧を人体に安全とされる低い電圧(原則として25V以下)に下げて、感電事故を防止するための装置。
電子ビーム溶接: Electro beam welding
真空中で電子を加速して得られる高速の電子ビームをフォーカス・コイルで収束してエネルギー密度を高め、母材に当てた時の衝撃発熱を利用して行う溶接。
電子ビーム溶接機: Electro beam welding machine
電子ビームの運動エネルギーを熱源として溶接を行うための装置。高真空室(電子銃室、溶接室など)、排気装置、電子銃、高電圧電源、溶接駆動装置、制御装置などからなる。
トーチ: Torch
アルゴンアーク、プラズマアークなどを利用して、金属その他の材料の加熱、溶接および切断を行うときに用いる器具。用途によって溶接トーチ、切断トーチなどと呼ぶ。
土被り: Pipe depth
埋設鋼管の外面天端より地表面までの距離。
溶込み: Penetration
母材の溶けた部分の最頂点と、溶接する面の表面との距離。
溶込み
土質柱状図: Soil boring log
地層断面における土質の分布状態を柱状にして表わした図。ボーリングや標準貫入試験時に採取した試料の観察の他、土質名、地層の境界、各地層の特徴、硬さや締まりの程度、孔内水位、N値などを記載する。
土壌腐食: Soil corrosion
土壌中で起きる腐食。
土留め: Sheeting
基礎工や各種構造物を開削工法で築造する場合、土留め壁、切梁り、腹起こし、火打ちなどの支持構造物を設け、周囲の地盤の崩壊あるいは地下水の流入を防ぎ、地盤の状態を安定に保つ必要があり、それらに要するものの総称。山留めともいう。種類としては、工事規模や土質などの作業条件により、簡易土留め、親杭横矢板、鋼矢板、コンクリート矢板、現場打ちコンクリート壁などがある。
塗覆装鋼管: Coated Steel Pipes
鋼製の原管(裸管)にアスファルト、コールタールエナメル、ポリエチレンなどの防食材料を塗覆装した管のことを言う。近年、環境に対する配慮ならびに労働安全性の観点からプラスチック被覆(ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂)鋼管が主流となりつつある。 T-25荷重: T-25 load  構造物に作用する自動車荷重を表す記号の一種で、T-25は「25トントラック」を想定した荷重である。水道用埋設鋼管の設計では、Kogler の分散角法に従うものとし、後輪荷重が接地幅0.5m、接地長0.2mで載荷され、これが深さ方向に分散角45゚に分布する荷重を想定している。T-25の他、T-20荷重、T-14荷重などの種類がある。
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